インプラントの歴史

インプラントの歴史

ブローネマルク(右)とインプラント第一号患者(左)

わたしたちがインプラントと言われて思い浮かぶ治療方法の歴史は19世紀にまでさかのぼります。 しかし当時の治療は現在の常識で考えるとかなり荒っぽいものでした。 金属を骨の置くまで埋め込んでいく「歯根骨内インプラント」、 顎の骨に溝を掘ってそこに板状の金属を打ち込んだ「ブレード型インプラント」、 さらには人工差ファイヤを埋め込む「サファイヤインプラント」など。 どれも術後にさまざまなトラブルを発生することが多く、 まともな治療法として受け入れられることはありませんでした。

しかし、戦後になってそんな状況に変化が生じます。 「現代インプラントの父」とも呼ばれるスウェーデンのブローネマルク博士の登場です。 ウサギで骨髄の血液循環の実験をしていたこの博士は偶然にもチタンが骨と結合する性質を備えていることを発見したのです。 それまでのインプラント治療の最大の問題点となっていた骨の金属に対する拒絶反応を一気に解決するこの性質の発見によって インプラント治療の歴史は急速に進展することになりました。

その後充分な研究を重ねた末にブローネマルク博士は60年代にインプラントシステムを開発。 このシステムはブローネマルクインプラントといわれ現在でもインプラント治療における主流の治療法となっています。 最初に受けた患者はその後一度も問題を発症することなく死ぬまで30年以上もの間植えつけたインプラントを使用し続けたそうです。 以後40年以上、現在では30ヶ国以上、60万人以上もの患者がこの治療法を受けています。 まさにインプラントの歴史はブローネマルク博士から始まったといえるでしょう。